いいリペアマンの仕事には理由があった
みなさんは、お世話になっているリペアマンはいますか?
ギターやベースというものはとても不安定な楽器です。
定期的にメンテナンスをしてあげることで、楽器のポテンシャルは発揮されます。
なので、調整やリフレット、擦り合わせは信頼できるところに任せたいですよね。
いいリペアマンが仕上げた楽器は、出音はもちろんのこと、プレイアビリティが如実に上がります。
そこにはしっかりとした技術と理由があるんです。
でもそれは今まで可視化することができませんでした。
PLEKとは?
PLEKという機械をご存じでしょうか?
まだ日本ではあまり浸透していないのですが、ギターの状態を可視化する大きな機械です。
非常に高価(数千万!!)なため、日本の工房にはほとんどないのですが、有名ギターメーカーは導入し始めていて
Gibson、Martin、Warwick、G&L、Lakland、Duesenberg、Suhr など、名だたるハイエンドメーカーが導入しています。
この機械は、ネックやフレットの状態を数値にして、可視化することが可能です。
また、フレットの擦りあわせも弦を張ったまま数十分で自動で行うことが可能なのです。
弦マガ編集部担当が体験!
今回、弦マガ編集部担当はこのPLEKを体験させていただきました。
何年もリペアしていなかったレスポールをPLEKにて見ていただきました。
ネックの反りや、フレットの減り具合、弦高さもすべてこのようにグラフで見ることができます。
12フレットでの弦高の状態は悪くないようです。
この黄色い部分がビビってしまったりする問題個所ということになります。
PLEKで見た結果、トラスロッド調整と、擦りあわせを行うことになりました。
トラスロッドは人力、擦りあわせはPLEKにて行われます。
擦りあわせ後の研磨や、ナット溝調整も人力で行われます。
すべての問題がクリアされたレスポール
メンテナンスの結果、すべての問題がクリアされて試奏してみたところ、これまでも弾きやすさに関しては気にする部分はなかったのですが、
びっくりするくらい弾きやすくなりました。これまでのはいったい何だったんだ。。
しかも、この状態もPLEKにデータとして残ります。
つまり、このベストの状態がいつでも再現することができるということなのです。
まさに新時代のマシーンです!!
職人の技を否定するものではない
ここまで書いてきて、これではリペアマンの仕事がなくなってしまうではないか!!
と思う方もいるかもしれませんが、最終的には人力が必要ですし、職人の技を否定するものではないと思います。
今回PLEKでの調整を行ってくれた方曰く、世界に二人しかいない初代フェンダーマスタービルダー制作のギターをこのPLEKで見てみたところ、
どこも修正する必要がなかったとのこと。
それがフェンダーマスタービルダー所以ということでしょう。
まとめ
今後PLEKはどこの工房にも入るようになるかもしれません。
PLEKは既にステンレスフレットにも対応しているそうですが、残念ながらファンフレットには対応していません。
しかしながら、アップデートはソフトウェアにて対応可能ということで、将来的にはきっと対応する見込みです。
これからはギターの問題も可視化する時代になってくるのでしょう。