昨今ではプロでもアンプシミュレーターを用いてライブを行うことが多くなりました。
やはりフルチューブアンプというものは壊れやすく、真空管がヘタったり、ヒューズが飛んだりすることが多いためです。
現在、アンプシミュレータは各社様々なものが発売されていますが、
多くの場合は、波形による再現に徹したものが多いです。
しかしながら、ドイツで開発されたKemper Profiling Ampはアンプシミュレータとも異なる
新しいアプローチのアンプで、現在では様々なアーティストが使い始めています。
アンプをコピーすることができる
論より証拠です。まず、これをご覧ください。
泣く子も黙るBognerに接続されたKemper。
Kemperから発せられた様々な周波数の音がBognerから出力され、アンプの特性をコピーしています。
その時間もわずか数分です。
もちろん、マイク録りされた音なのでキャビやマイクの特性もコピーされますが、
これはどういうわけか後から内部設定でいろいろ触ることもできちゃいます。
で、Kemperから出力された音。
Bognerの音のまんまです。
これには驚きます。
しかも、歪み系であれば、ペダルを接続した状態の音もプロファイリングできるそうです。
エフェクターもたくさん入っている
もちろん、スタジオクラスのエフェクトも多数入っています。
センドリターン端子ももちろんついているので、プリアンプ後の空間系エフェクトも接続することができます。
もちろんMIDI対応
最近、Kemperから独自のふっとペダルが発売されましたが、
MIDIにももちろん対応しているので、SoftStep2などを用いてチャンネル(Kemperではリグといいます)
を即時に切り替えることができ、前述のセンドリターンのバイバスも可能です。
ちなみに切り替え時のレイテンシーや音切れは、初期の頃は気になりましたが、
システムアップデートにより現在では気にならなくなっています。
アンプをダウンロードすることができる
Kemper ではサポートフォーラムが用意されており、
そこでは世界中のギタリストがプロファイリングしたアンプのコレクションをダウンロードして使うことができます。
中には幻のアンプROCKMAN XPRなんかもありました。
ソフトウェアでリグ管理
KemperにはUSB端子が用意されています。
これまでは、USBメモリによるリグの取り込みやバックアップ、システムアップデート用途でしたが、
Rig Managerというソフトウェアがリリースされ、WindowsやMacでリグの管理をできるようになっています。
パワーアンプ内蔵版、ラック版もあり
Kemperはこれまで、小型ヘッドアンプタイプのものしかありませんでした。
くくり的にもアンシミュなので、パワーアンプも内蔵されておりません。
しかしながら、現在ではラック版や、パワーアンプ内蔵版も発売されています。
少し重量は重たくなってしまいますが、それでも十分カートで運べる重さです。
これにより、どんな環境でも同じ音が出せるようになっています。
プロも愛用
まず、これみてください。
アリーナクラスのライブでアンプが壁のように並んでいるのを見たことがあると思います。
大概、ハリボテです。
本当に使っているのはおそらくそのうちの一台か二台です。
現在ではそれすら使わずに実はアンシミュを使っていることがあります。
某有名アーティストなどは、アンプは自分のモニター用として利用し、
実際の外音はKemperから出力しています。
そう、Kemperは出力が2つあり、
それぞれキャビシミュあり、なしに設定できるため、
モニター用にはキャビシミュなしでアンプから出力
外音はキャビシミュオン状態での出力が可能なのです。
できないこと
ただひとつ残念なこと。
KemperではFractalのようなデュアルアンプ機能はありません。
片方は歪み、片方はクリーンというような使い方をできれば最高だと思うのですが、
今後のアップデートでもDSPの性能上無理ではないかと言われています。
まとめ
これからのギターアンプにITは不可欠な時代となりました。
もちろん、真空管のアンプは最高です。
でも、故障は怖いです。
ライブ当日に、伝家の宝刀が機能しなくなってしまったら。。
そう考えると、
日々故障せずに80%のクオリティを維持し続けられるほうが大事だと編集部は考えています。
あなたの伝えたいことを日々しっかり伝えられるようデジタル製品の導入も検討してみてはいかがでしょうか?